2008年10月18日土曜日

マウンテン・ライオン

今日の早朝、生まれて初めてマウンテン・ライオンを目撃した。しかも、前の車にはねられた直後の絶命直前の姿を…。

今週末もケヴィンはログキャビンへ。今週は今年の冬を越えるための安い玄関のドア(中古で$30!)とストーブ(こちらも旧式で中古)を持っていくことになっており、ケヴィンのミニ・クーパーでは運ぶのが無理。今週末も私は山へは行けず、そしていろいろ込み入った事情があり、朝5時に四駆を持っている友達との集合場所である高速道路脇まで、私も別に車を出して荷物を運ぶことになっていた。

早朝だったのでずっと後続車はいなかったのだが、ボールダーを出て約20分くらい経ちゴールデンという街に差し掛かった時、ドアを屋根に縛り付けて遅めに走る私とその前のケヴィンを一台の四駆が時速100キロくらいで追い越した。そしてその数分後、先でその車が路肩に車を寄せた。ケヴィンもそれに続いて右側へ。

おや?と速度を落とした私の目の前に広がった光景を見て驚いた。私が見たものは、ライトに照らされた道路の真ん中で、かっと目を見開いて首をこちらに向けて苦しみもだえた大きなベージュ色の動物。一瞬にしてそこを避けて通り、鹿ではない、と思いながらわけがわからず私も車を止めて車外へ。(その時、後ろにあったストーブが前へ倒れ車内は灰だらけに。とほほ。)ケヴィンが「マウンテン・ライオンだと思う」と言った。

その倒れた動物を、はねた車の人達が見下ろしていた。ものすごく大きくて、美しい野獣という感じのマウンテン・ライオンは血を流して痙攣をおこしており、もう息絶える寸前という感じだった。ケヴィンがすぐに警察に連絡をすると、5分もしない間にパトカーが3台やって来た。懐中電灯を手にして始めに車から降りてきた婦警さんが「いつまた姿を現すかと思っていたのよ」と言った。昨日ゴールデンの街中で姿を目撃されていたらしい。その現場も、住宅街からほんの数百メートルのところだ。餌を探して山から降りてきたのだろう。そして悲しいことに、この動物はその後数分もしなにうちに完全に息を引き取った。あの見開いた透き通った目が、私の目の裏にはっきりと焼きついてしまった。

前々からこのエリアにはマウンテン・ライオンが生息するのは知っていた。数年前の夏はボールダーの街中にも姿を現して、住民に警告をしていたこともあった。調べてみると日本語ではピューマとしての方が名が知られているらしい。

マウンテン・ライオンはペットを襲ったりするだけでなく、山の中でジョギングやハイキングをする人間も襲うので危険な動物として恐れられている。近所のハイキング・トレイルにも時々「最近このエリアでマウンテン・ライオンが目撃されたので、このトレイルは避けて下さい」という看板が立っていることがある。数年前に、親と手をつないで山を歩いていた子供が、後ろから襲われてさらわれそうになる、という事件が起こったこともある(無事取り返したそうだが)。

いくら危険な動物といえども、彼らの縄張りに入っているのは私達。こういう形で野生の動物を殺してしまうのは悲しい。

2 件のコメント:

  1. こんなことでまでも、いい環境に住んでるなぁと思ってしまう。都会じゃ、動物そのものに出会うことがほとんどないじゃない。黄葉や空の青さで空気がきれいで澄んでいる感じが伝わってくるわ。
    都会でゲームばかりで育つ子供って、生き物を大切にする気持ちや共存するためには、とか考えなくなってしまうのかなぁと思うと残念よね。自分に子供ができたとしたらそうしたくないなと思います。

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  2. そう言われてみればいい環境かもしれないけど、まさかこんな動物がいるとは・・・。どちらかというと、アフリカあたりで見かける動物という感じでした。

    子供ができたら、できるだけ外に連れ出そううね☆

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