2018年11月9日金曜日

束の間の愛犬 アキ

実はこの2週間我が家では、この子犬を巡ってドラマが繰り広げられていました。

Aki (秋)と名付けました

アシャが死んだ後、いつかはまた飼おうと思っていた犬。なかなか心の準備ができず、4年間ずっと見ないようにしていた動物愛護協会のウェブサイトを、2週間前にうっかりカリーナと2人で見てしまいました。するとそこに、たまたま5匹の子犬が出ていました。ハスキーとボーダーコリーのミックスで、2ヶ月半。それまでピンとくる犬がいなかったのですが、「この犬だったら我が家の中にいる姿が想像がつく」とケヴィンと意見が一致。

お腹を出して寝ているのがアキ

翌日の朝は予定があり施設に行けず、昼間にウェブサイトを見るともう5匹とも「予約済み」になっておりがっかり。しかしその翌日「気が変わった人がいるかもしれないから、とりあえず見に行ってみるか」と施設に足を運んでみました。すると1匹だけ予約が取り消しになっていた子犬がいたので、オスでちょっと悩みましたが(オスよりも若干サイズが小さいメスが欲しかった)「お取り置き」してみました。そしてその勢いで、その翌日には我が家にこの子犬はやって来たのでした。

手続きが終わり施設の前で記念撮影
 

結果から書きますと、悲しいことにカリーナが犬アレルギーということが判明し、1週間後に手離すことになってしまったこの子犬。この悲しく、しかし奇妙な運命の巡り合わせの話をここに書き留めておきます。

 
45分程遊ぶとコテっと寝てしまうのがパターン

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来た初日は、新しい場所に連れて来られたことと、他の子犬たちと生まれて初めて離れたショックもあったようで大人しくしていましたが、夜にクレート(注:犬の檻です)に入れた途端にギャン泣き。初めの3日間は夜中に数時間泣いた晩もあり、1時間半ごとにオシッコに外に連れ出していて睡眠不足だった上にこれで、ノイローゼになるかと思いました。

4日目になると、だんだんクレートに慣れて来て、まだ夜間のオシッコは1時間半〜2時間半間隔でしたが(昼間は起きていると20分おき!)、部屋に戻ると自分でクレートに入るようになりました。

クレートは一階のゲストルームに置き、夜の担当がそこのベッドで寝泊まりし他の家族を起こさないようにしていましたが、一日交代だったはずの夜のシフトは(ケヴィンの仕事の関係で)3日連続で私になることもあり、私は慢性的な寝不足に陥っていました、、、。

が、やはり子犬は可愛いもので、あんなに夜に辛くても次もまた子犬から育てたいなと思うのでした。


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週末中のある時にカリーナの片側の頰が赤くなっているなと思っていると、週末明けの朝は目がなんとなく腫れていました。その後鼻がぐすぐすし始め、どうやらアレルギー反応を起こしているようだったので、気になってアレルギーテストに連れて行くことにしました。

ああ、犬アレルギー確定

「アレルギーがあっても、自分の犬にはだんだん慣れてくるものじゃない?」と人が言うのをよく耳にしますが、医師によると「そんなことはない」とのことで、カリーナの場合はこれから徐々に反応がひどくなり、30日くらいでマックスに至るだろうと言われました。「それでも犬をどうしても飼いたいのなら」というアドバイスは以下の4点。
  • ある程度の歳になったら1年間ほど月1回アレルギー注射をする(ひどくなったらまた同じことを繰り返す)
  • ベッドルームのドアは閉めて犬を部屋に入れない
  • 頻繁に家中掃除機がけをする
  • 着た洋服はすぐに洗う
結局、注射ができるまでの2年程度は薬を飲むしかなく、その間カリーナがどれほど苦しむかは未知数。花粉で辛い時期の自分の日々のパフォーマンスの低さを考えると、大切な時期にカリーナをそんな状態にはさせられない、と言う結論にすぐ至りました。

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施設に返すこともできたのですが、まずは自分たちの周りでアキを受け入れてくれる家族がいないかを探してみることにしました。その日はハロウィン当日。人々が外に繰り出す中噂が広まり、カリーナと同じ学校に通うご近所さん2家族と、たまたまうちにトリックorトリートに来た家族が連絡先を置いていってくれました。

ご近所さん2組は、配偶者が「NO」と言い(両方ともすでに犬がおり複数の小さな子供もいる)、連絡先を置いていってくれたファミリーは自分たちの9歳の犬のために子犬を探していたものの、当の犬がアキに全く興味がない様子で、この話もダメになりました。

ケヴィンはそれでも施設に返さずになんとかしようと頑張っていましたが、金曜日の午後に私が「週末を一緒に過ごすともっと情が移るし、土曜日に施設に返せば子犬は人気があるから、きっと週末中にアキを引き取ってくれる人が現れるはず」とケヴィンを説得しました。

ケヴィンのバディでした
ケヴィンの仕事中に昼寝
なんと無防備な寝姿

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この犬は片耳が垂れていたので、「片方がボーダーコリーで、片方がハスキーの耳」と冗談を言い笑っていて、もしやそうだから1匹だけ売れ残っていた?!と内心私は思っていたのですが、ある時両耳が立っていることに気づきました(驚)しかも、1週間で1キロ以上重くなり、顔も急に凛々しくなっていた!


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ここからが奇妙な展開になります。アキが来てから1週間経過した、土曜日の昼間です。

アレルギー検査の結果が出てからアキを手離す瞬間を思い3人で涙していたのですが、ついにその時が迫って来ました。ケヴィンが「最後にお隣さんにお別れをするチャンスをあげないと」と言い、お隣さんを呼び外で立って話をしていました。

私がアキを抱いて立っていると、自転車で通りかかった男の人がユーターンしてこちらに向かってくるのがお隣さん越しに見えました。その子犬は何ヶ月かと聞かれたので、「ハスキーとボーダーコリーのミックスで、2ヶ月半です」と答えました。

すると、「それはミックスじゃなくてカレリアン・ベア・ドッグ(KBD)だよ。絶対そう。自分が飼っていた同じ種類の犬が、2週間に死んだところなんだ」

この人は、我が家の前の道を山に向かって30分ほど車で上がった小さなマウンテン・コミュニティーに住んでいる人で、マウンテンバイクでそこを降りて来てたまたまうちの前を通りかかったのでした。彼はすぐに奥さんに電話をし、「KBDの子犬を見つけたのだけど、どう思う?」と聞くと、2歳の息子さんが昼寝から起きたらすぐ見に来るということになりました。

KBDをウェブで検索してまずは画像を探してみると、確かにアキにそっくりな写真がたくさん出てきました。彼に言われた時は半信半疑でしたが、見れば見るほどこれはKBDだと思え、気になっていろいろ調べてみました。この種類は、熊・ヘラジカ・猪など大型動物用の狩猟犬としてフィンランドのカレリア地方に何世紀も前から存在する犬で、アメリカに渡って来たのは1990年代なので、未だあまり知られていない犬種ということがわかりました。自転車の彼がいう通り、しっかりしたトレーニングとかなりの運動量が必要なので、街中では気軽に飼える犬ではないようです。


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結局、その数時間後に奥さんが山から降りて来て、アキを連れて帰りました。彼らはすでに2歳のKBDを飼っており、春頃に四国犬の子犬を譲り受けることになっているので3匹目は飼えないけれど、喜んでフォスターになって自分のネットワーク内で里親探しをしてくれると言うのです。2歳のKBDがもう1匹が死んでから寂しそうにしているので、ちょうど良いからと言うことでした。

そしてその数日後、アキは更に山の奥に住む彼の従弟の所へ引き取られて行きました。ボールダーからは車で1時間ちょっとのところです。そこには熊や鹿がたくさんいるだろうし、山の中で走り回れるのでアキも幸せだろうと思います。

不思議な縁と人生の偶然に驚いていましたが、あれから1週間経過し、実はアキがとても強い運命を持って生まれて来た子犬だったのではないかと思うようになりました。それにしても、残りの4匹を引き取った家族はどうなるのか・・・?気になって動物愛護協会に2度忠告してみたのですが、2人ともこの犬のことは何も知らないようで、「もしその子犬が戻って来た場合は、この情報を添付します」と言う程度で取り合ってもらえませでした。去る者は追わずというポリシーなのでしょうが、他の飼い主に知らせたい気もします。

この結末のお陰でアキを手離す辛さは若干軽減しましたが、居なくなってとても寂しくなりました。いろいろな人に「プードルミックは?アレルギーの人はみんなそれ飼ってるわよ」と言われますが、「将来カリーナが大学に行ったら、またこんな子犬を飼おうかねえ」とケヴィンと言っています。医師曰く、完全にアレルギー反応がない犬はいないと言うことなのです。結局私たちは、アシャのような犬を探し続けるのかもしれません。

ケヴィンの履物が大好きでした。匂いが良いから?!