2010年6月29日火曜日

日本到着

45階の客室からの夕陽

先週日本に到着後東京に2泊しました。普段は妹夫婦のところでお世話になるのですが、今回は新宿のパークハイアットに泊まり、そこでつかの間の東京滞在を楽しみました。バーやラウンジでカクテルやアフタヌーンティーを楽しみながら仲の良い友人達や妹夫婦と過ごす時間は、とても贅沢なものでした。

ここのところホテルで過ごすことが多い私ですが、やはりこのホテルのサービスと雰囲気は格別でした。それは現実離れした世界にほんの少し浸り、チェックアウトをしてリムジンに乗り羽田空港に到着した途端、なんだか12時を過ぎたシンデレラのような気分になった程だったのでした。

2010年6月28日月曜日

私が出発する直前のアシャ

私が日本に来ているので、またアシャはケヴィンの両親のところで預かってもらっています(いつも彼らには本当にお世話になってます)。ケヴィンの実家の裏庭は広いので、普段庭のないタウンハウス暮らしのアシャはここに来ると外でリスを追っかけて過ごします。

アシャはこの庭で今までに合計7匹のリスを仕留めました。狩りのスキルも熟練したもの。この木は1本だけ独立して生えており、リスがここに追いつめられると飛び移る木やフェンスがないので、アシャがどかない限りリスはここから動けなくなるのです。しびれを切らしたリスが死のエスケープを試み、そして、、、ということが過去に何度もありました。

ケヴィンのママによると、一度アシャがここで5時間粘って動こうとしないので、彼女が水と餌を横に置いてあげる始末だった、というエピソードもあります。

私が日本に出発する前日でこれから約1ヶ月のお別れだと言うのに、リスに神経を集中させて呼ばれてもピクリとも動かないアシャ。近くで名前を呼ばれてもこちらを見るのはほんの一瞬。目はすぐにリスの位置に戻ってしまい「あんたが居なくなっても全然気にしなーい」という感じ。「私が留守の間に、アシャが楽しくリスを追っかけて暮らしてくれるのなら私も幸せ」と言い聞かせながらケヴィンの実家を去った私でした。

更にその直前のアシャ

ケヴィンの両親の家に連れて行く前は体に湿疹ができていることが発覚。獣医に連れて行くと何かのアレルギーだと言われ、投薬と同時に掻くのをできるだけ防ぐために2年前のTシャツが復活。

犬に洋服を着せるとなんとなく人間っぽくなり、普段とはひと味違う妙な親近感が湧くような気が。特に背中をさすったりすると人間の背中を触っているみたい。

みんなの笑いを誘った数日間でした。

2010年6月15日火曜日

W杯オランダ戦を観る時に

日本チームカメルーン戦で勝利、ということで日本国内は湧いているのではないかと思います。我が家にはケーブルがないので普段全くTVは見ないのですが(山に近すぎて普通のチャンネルも受信できず)、私はもうすぐ日本に帰るのでそこでW杯を観戦することになるかもしれません。時差がちょっと気になりますが。

土曜日にデンバーのホテルでだらだらと試合を観ていると、4月に行ったダーバンのスタジアムが出ていました。結婚式があったエリアはここから内陸に2時間程車で走った所だったので、帰りに友達と4人でここに寄ったのです。

約1年かけて作ったというこのスタジアムは、ビーチタウンであるダーバンの開放的な雰囲気にマッチしたとても美しいデザインで、最後の仕上げが進められていました。

「あと数ヶ月でここは観客で埋まるんだねえ」と感慨深かったのですが、その群衆で埋め尽くされた映像を土曜日にTVで見たわけです。

「あの話題を書くのには今がいいタイミングかもしれない」と密かに思っているところに、たまたまこの美しいスタジアムで次の日本VSオランダ戦が行われると知りニンマリ。写真の赤い矢印部分にご注目を。

見にくいですが地上107m建物にしたら30階、というこの場所に人が数人います。その1人はケヴィン。そう、彼はここからバンジージャンプしたのです。まさかここまでやる人とは思わなかった。それまでに約900人が挑戦して無事故、と言われたもののやはり緊張しました。

これがその練習風景。

さすがのケヴィンもすんなりと飛び降りることができず、一歩一歩じりじりと淵に向かって進んだそうです。カメラを構えて見ている方も、まだかまだかとハラハラ。そして「うわぁぁぁぁぁぁ」というケヴィンの叫び声がスタジアム中に響き渡ったのでした。

ぶらーんぶらーん、と左右にしばらく揺れた後ほぼ止まったところ。

引き上げられる図。

何度見ても高い!引き上げられている時も結構怖かったようです(でもそこから見るダーバンのビーチはとても奇麗だったそうです)。私だったらまず上まで歩いて登れない。挑戦者はみんなハシゴを登ってあそこまで行くのです。

というわけで、このスタジアムでの試合を観る時にはケヴィンのことを思い出してあげてください。日本チーム頑張れ!

2010年6月12日土曜日

今年の婚約記念日は、、、

「10年前に婚約したあの場所に戻ろう」と張り切って出かけたもののその場所が見つからず、ハイキングトレイルをうろうろした去年のあの日から早くも1年。また婚約記念日がやってきました。

最近ケヴィンの出張が更に激しさを増し、さすがの彼もお疲れ気味なので、「今年はボールダーでスパにするかー」と私達らしくないことを言っていたのですが、結局デンバーのホテルに泊まってのんびりすることにしました。ケヴィンの過密出張スケジュールのお陰で、ハイアットホテルチェーンの無料宿泊券が貯まりに貯まっているのです。

普段は快晴ばかりのコロラドなので、週末室内でじっとしているなんて滅多にないのですが、今週末はまるで梅雨。ホテル滞在にはうってつけの天気です。この部屋からはロッキー山脈が見えるはずなのですが、どんよりしていて見えるものはこんな。

普段$200のところを$79の追加料金で2部屋つづきのスイートにアップグレードしてもらいました。12時半から始まるアメリカ対イギリスのサッカーゲームを観戦するのがケヴィンの目的。それに間に合わせるために走ってチェックインしました。現在後半戦1対1です。どうなるでしょうねー。

夜はこんなレストランで食事です。Sushi Sasa

オーナーシェフは若いアメリカ人なのですが、彼の「おまかせ」はまるで懐石料理。ずっとここは和と洋のフュージョンなのかなと思っていたのですが、どちらかと言うと日本の素材を上手く組み合わせたフュージョンというお料理。ちょっと前に友人と来て彼の才能に感心し、近々ぜひケヴィンを連れて行きたいと思っていました。

残念ながらこのお店は写真撮影を禁止しているので、写真はご紹介できません(隠し撮りに挑戦するかもしれませんが)。内装はロンドンのレストランを思い起こさせるようなクリーンでモダンなデザインで素敵です。

出張の多い方にはハイアットのゴールドパスポートというメンバーシップはお勧めです。ステータスによって様々な特典があります。

ビア缶チキン

先週末にファーマーズマーケットに行った時、小さなチキンを買いました。ケヴィンが「ビア缶チキン」を作ってみたいと言ったからです。作り方はいたって簡単。皮と肉の間と空っぽの内側にオリーブオイルとスパイスを擦り込み、そこにビールを缶ごと押し込み、2時間グリルで焼くだけ。

これからグリルに入ります。座っている姿がかわいいくて笑いを誘ったのですが、ちょっとかわいそうな気もしてしんみりとなる私達。地元のファームで育った鶏なので、せめて走り回って楽しい一生を送ったことを願います。

グリルに入ること2時間。

出来上がり。お味の方はといいますと、おいしかったけど若干乾燥しすぎな感じ。ちょっと小さすぎたかな。

*付け足し*

どうも説明不足だったようで、その後質問続出!
ビールの缶はビールが入ったまま開けてチキンの中に入れます。よくよく聞いてみたら、ケヴィンはナイフで缶の上の部分にいくつか他の穴も開けていたようで、ビールに少しスパイスも混ぜたと言っていました。ゆっくりと焼いている間に、スパイスの入ったビールがチキンの中で蒸発しチキンをしっとりさせる、という仕組みなわけです(思った程しっとりしませんでしたが)。ちなみに、缶はチキンを座らせるのにちょうどいい感じでした。
これでみなさん謎はとけました?

2010年6月8日火曜日

大家族

前々から非常に気になっていたこと。
我が家から歩いて5分程歩いた所に、アシャのお散歩コースに絶好の公園があります。ここにはカナダ雁が年中いるのですが、毎年この時期になるとヒナのかわいい姿が私を楽しませてくれます。が、どうも今年は例年とやや様子が違い、大きな謎を抱えつつ毎日アシャの散歩をする私です。
例年は、1つのファミリーにヒナが数羽から多くとも6−7羽くらい生き残り、各家族お互いに近くにいるものの独立して生活しています。今年は始めのうちはひと家族にヒナが2羽、もうひと家族には4羽だけ、と妙に数が少ないなあと思っていました。ところがある日いきなり↑こんな状態に。
どうやら他から来た家族も混じり、ヒナをひとまとめにしたようです。しかも、なぜかこの集団の中に一羽カモ(左の輪の中)が混じっている。 毎日様子を伺っていますが、今年はなぜか大体3−4羽の成鳥が約20羽のヒナの面倒をまとめて見ているようです。そしてあのカモも離れることなく毎日一緒にいる、というなんとも微笑ましい光景であります。

2010年6月6日日曜日

日本と日本のイルカの行く末 7 <ザ・コーブ>

「ザ・コーブ」の日本上映の日取りも決まり、ここしばらくOPS(映画を制作した非営利団体)との連絡も途絶え、「私にできることはもうないかな」と思っていたところ、数日前に日本人の知り合いが「イルカ漁映画に抗議電話殺到、渋谷の上映中止」というニュースをメールで知らせてくれました。

メディアがなぜか実名を公表しない「保守系市民グループ」。彼らがどういうグループでどこが資金源なのだろう、と疑問に思っているうちに、彼らが配給会社の社長の家の前で「街宣」をしている動画を見つけてその一部を見ましたが、こんなことをされたら周囲への迷惑を優先せざるを得ないであろう、と思われる状況でした。

その市民グループが「反日映画だ」「白人も同じことをやっているだろ」と”白人”がイルカを殺している写真を指差しながら社長の家に向かって叫んでいるのを見ていて、OPSが拠点を置く街コロラド州ボールダーがどんなところなのかを声を大にして説明してみたくなりました。そしてここで1つ指摘したいことは、”白人”にだっていろいろあるんだ、という点。彼らのものさしを使うと、私達日本人はは単に同じ”黄色人”ということで、中国人や韓国人と同じということになってしまうではないですか。

そんな訳のわからないことはいいとして、ここで問題の映画を作った”白人”は海洋資源保護協会(OPS)の人達です。その団体が拠点を置いているコロラド州ボールダーというところは、たまたま私が7年間住んでいるところですが、ここはアメリカの中でもかなり特殊なキャラクターを持った街と言えます。

アメリカという国は日本の24−5倍ある大きな国で、あまりにも大きいので州ごとに法律が違うほどです。州ごとどころか同じ州内でも場所によって保守的な人が集まっていると言われる場所や、リベラルな考え方の人が集まっている場所、というのがあったりします。ボールダーは非常にリベラルな街で、コロラドが州として共和党に傾いていた時代も民主党(つまりブッシュ政権に猛反対していた人達)が多いことで知られていました。

この街はコロラド州立大学のキャンパスがあり、そして国の研究機関もいろいろあるので、約30万人しか住人がいない街にもかかわらず外国人が多い国際的な街でもあります。例えば私が今通っているジムのクラスは、10人前後やってくる生徒のうちメキシコ人、南アフリカ人、オランダ人、フランス人、そして私、と5人も外国人がおり、そしてつくづく考えてみると我が家の両隣も外国人でした。密度的には東京よりよっぽど外国人率が高いのではないでしょうか。

従って、ここに住んでいるアメリカ人達はかなり外国人慣れしており、日本人が一般的に想像するアメリカ人よりはるかに海外に目が向いていると言えます。

時々「アメリカに住んでいて、人種差別を感じないか」と日本人に聞かれることがありますが、今まで自分が日本人だということで不快な思いをしたことはありません。むしろ、ボールダーは親日的な街なので自分が日本人だということをさっさと人に言うようにしています。そうすると意外なほど日本や日本人に何かしら関わったことがある人が多く、そこから日本の話に花が咲く、ということが多々あります。

ボールダーは生活水準が高い街なので、おのずと教育レベルと教養レベルが高い人が集まってくることも事実です。そして環境問題にアンテナを張っている人が多いのも特徴です。街自体もロッキー山麓と街との美しい調和を崩さないよう建物の高さを規制し(滅多にないが高くても4階建てくらい)、住民の同意をもとに税金を使って空き地を市有地にし新興住宅街を増やさない、という驚くような政策を貫いています。

街の中のバス路線もアメリカとしては抜群に発達しており、プリウスが最も見かける車種の1つで、自転車に乗る人のために至る所に設置されている自転車専用車線の長さをを合計すると約600キロになると言われています。

小さな街としては質の良いレストランも多いのがボールダーの評判で、最近のトレンドでもありますが、できるだけ地元の農家や牧場から信念を持って育てられた食材を調達し、レストランの内装もリサイクル素材を使い、風力発電を使用してできるだけ環境に優しい経営をしている、というようなことがメニューに書かれていることが日常茶飯事です。

さてここでやっと核心に触れますが、そういうところに住んでいる私達は常に地球に優しい環境作りを目指して生活しており、動物愛護問題にも敏感です。ちなみにボールダー市では犬の飼い主のことを”ドッグオーナー”とは呼ばず、”ドッグガーディアン(後見人)”と呼ぶ、という異常に犬に気を使った法律すらあります。「ザ・コーブ」の制作チームの人々にも会ったことがありますが、ほとんどがそういう土地柄に住んでいる人達なので、あるきっかけでリック・オバリーの活動を知った彼らが日本でのイルカ漁を知り、「なんとかイルカを助けられないか」と思うのは自然の流れだったであろうと私にも想像できます。今回それがたまたま日本だったわけで、実際彼らは今後ヨーロッパでの”白人による”イルカ漁にも目を向けたいということもほのめかしていました。

この映画は「異文化に対する尊敬がない」という点がかなり指摘されていますが、私個人の意見ではたとえその国ではそれが「文化」でも場合によっては国外から疑問視されることがあると思います。例えば、中東の国々で規範から外れたことをした、もしくはした疑惑のある女性が父親や兄弟に殺される。いくらそれが彼らの「文化」だと言っても、それは人道的におかしいのではないか?と日本人も疑問に思うはずです。

「それは人間と動物の違いだから、同レベルで議論するのはおかしい」と言う人が必ずいると思いますが、私の言いたいことは、「異文化に対して疑問を投げかける」というのはこういうことであり、「ザ・コーブ」もそういう感覚の話ではないかと思うわけです。

私の予想では今後「ザ・コーブ」の上映を中止する映画館が続出するのではないかと思われます。この映画を観たいと思っている人達にその機会がなくなるという点は非常に残念だと思いますが、見方を変えると、最近人々の興味が薄れていたイルカ漁にまたスポットライトが当たったとも言えます。

この映画に反対でも映画の上映には賛成、という一部日本人映画監督の意見に一筋の明るい光を見た気がしましたが、道のりはまだ長いです。というかこのまま道は閉ざされてしまうのでしょうか。このテーマを書き始めた時に、イルカの未来だけでなく日本の未来も気になっていましたが、日本の今後が更に気になる展開になってしまいました。

都内でのコーブ関係のイベント情報

その他「ザ・コーブ」に関するポスト:イルカ漁

リック・オバリー氏来日記念講演 

6月16日(水)に、代々木にある国立オリンピック記念青少年総合センターで、無料のイベントが行われるようです。詳細

>6月9日(水)には中野で映画上映会&シンポジウムもあるそうです(こちらは参加費1000円)。詳細 ←6/7現在、550枚のチケットは完売したそうです

参考:イルカ漁