2020年5月20日水曜日

COVID-19 その3

ニュー・ノーマル英語New Normal)は、ビジネスや経済学の分野において、2007年から2008年にかけての世界金融危機や、それに続く2008年から2012年にかけての大景気後退の後における金融上の状態を意味する表現。この言葉は、以降、様々な文脈で用いられるようになり、つては異常とされていたような事態がありふれた当然のものとなっていることを意味するようになった。(Wikipediaより)

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8週間続いたオンライン授業は今日で終了。明日は学校の教室に残された荷物を取りに行き、これで今年度が終了です。その後3ヶ月間の夏休みに入ります。荷物のピックアップは学年ごとに時間が振り分けられ、学校の前に一時停止した車のトランクに先生達が各生徒の荷物を入れてくれる、という流れだそうです。私たちは車から出ることは禁止されています。

最終日の朝礼は「ピクニックミーティング」でした

他人と話す時は2m以上離れて外で立ち話。マスクをしないとスーパーマーケットには入店を拒否され、自分のエコバッグすら持ち込むこともできず。お店から出て自分の車のドアを開ける前に手に除菌スプレーをし、使ったクレジットカードや触った車のキーも即除菌。家に戻ると買ってきたものは各所にしまう前に拭き、すぐに使わないものは3日間触らずに倉庫に保管。

この危機を乗り越えられなかったビジネスはどんどん消えてしまい、日々入ってくるニュースで「そうか、そんな連鎖もあったのか」と世の中の繋がりを悟り暗澹とした気分になります。今まで自分が生活する場所や国では想定外だった医療崩壊の可能性、今後長く続くであろう世界大恐慌を上回ると言われる不況や失業率の高さ。訪日外国人観光客数前年同月比99.9%減という数字。

昨日ケヴィンがNYタイムスで、今後はビュッフェスタイルの食事がなくなるだろう、という記事を読んだと言っていて、そんなことでも淋しい気持ちになります。

カリーナは3年生が終わるところですが、今年の先生は今まで一番好きだった先生だったようで、とても悲しそうです。しかも今朝のオンライン朝礼で、その先生が来年度は別の学校に移るという発表が。クラスメートの中で2人親友ができてとても楽しそうにしていたので、貴重な時間を一緒に過ごせなかったのも残念です。

おお〜落ちそう〜!
(近所に出現した3Dだまし絵です)

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そんな中で明るい側に目を向けてみると、世界中で約45億人が外出自粛する中、野生動物が街に現れたり、空気や水が澄んだというニュースには心が和みます。アルゼンチンで街中に横たわるアシカの写真や、タージマハールのビフォー&アフターの写真。我が街ボールダーでも山から降りてきたマウンテンライオン(=ピューマ)が住宅街を悠々と歩くビデオがいくつも投稿されました。これはばったり出会したくない動物ですけどね。

ただ残念なことに、一旦激減した交通量は、今後公共の交通機関を避ける傾向とガソリン価格の下落によって増加するだろうと言われています。

我が家の明るいサイドは、普段忙しなく動き回るケヴィンにブレーキがかかったこと。←こんなことでもないと止まらない人 カリーナが思わぬ才能を発揮し、執筆活動を始めたこと。ファンタジー小説を書き始め、現在11章に差し掛かったところだそうです。自費出版して収益はアニマルシェルターに寄付するつもりだとか。

私は消滅した友人達と交流する時間を利用してピアノを以前より弾くようになりました。インスタグラムに月に一度1分間のビデオを投稿するのが目標で、今のところ好きなジャズナンバー(=自分が弾ける程度)を選んで練習しています。その成果はこちらですが、たかが1分のビデオのために、蔭では相当量の弾きこみが行われているのでした。これはボケ防止になりそうです。

「枯葉」ビル・エヴァンス

「Quiet Now」ビル・エヴァンス(1969年)


私たちが住む場所は山に囲まれてスペースがあり、ここは外出自粛はそこまで厳しくなかったし、うちにはくつろげる裏庭もある。有難いことに食べることにも困っていない。この経験で確実に価値観が変わりました。今自分がこうやって生活していること自体に感謝しながら、ニュー・ノーマルに慣れていくのかなあと思います。