お疲れさま

ケヴィンの仕事はセールスなので（外回りのフィールドセールスではなく、自宅からのインサイドセールス）、毎年各人に目標額が設定され四半期ごとに集計をする。その３ヶ月ごとの〆が、１月末、４月末、７月末、そして１０月末というわけだ。

各人目標額に対する売り上げ額で、もらえるコミッションのレートが変わってくるのと、その積み重ねで例の「勝ち組旅行」に行けるかどうかが決まるので、この〆の月はみんな必死だ。ケヴィンの忙しさとストレスレベルによって、私の生活もかなり左右されることになる。

当然調子のいい四半期と悪い四半期があり、今回の４月の〆は史上最悪な状態で「今回はダメかも」とストレスで夜もよく眠れない日々が続いたケヴィンだったが、最終日に向けてのチームのふんばりが功を奏しなんとか危機を乗り越えたようだ。

前置きが長くなったが、すべての集計も終わり機嫌が良くなった昨日の晩、急に彼がお祝いに外食しようといい始めたので、珍しく２人でイタリアン・レストランに出かけた。実は私たちは結構慎ましい生活をしており、２人だけでは記念日以外はあまり外食はしないのだ。モットーは、外食は友人と一緒なら惜しまず、なのではあるが。

体と頭はかなり疲れてフラフラだった彼だが、気持ちは高揚していた模様で、待ち時間にワインを飲んでいる間にかなりリラックスしてきた。このレストランは、実は私は女友達との待ち合わせでかなり頻繁に利用しているところなのだが、ケヴィンは初めて（ごめん）。私もほとんどランチに来るので、夜は２回目。

オープンキッチンになっていて厨房が丸見えの店のつくりに目をつけたケヴィン、その横のテーブルが空くのを４５分待った。その甲斐あって、シェフが料理しているのを見るのが楽しい。彼らも見られていてうれしいようで、いろいろと説明をしてくれた。これはビートとやぎのチーズとソラマメのトルテリーニ。奥はコロラド産のラム。

こちらはケヴィンが気に入ったポークチョップ。上に乗っているのはグリルされたプラム。ポークの下に置かれたリコッタチーズのソースというか付け合せの口当たりが、味付けの濃い卯の花のような感じだった。複雑な味付け。 デザートはアイスクリームサンド。紙に包まれてきて何やらおもしろい感じ。なるほど、まずクッキーを焼き熱いうちに切ってアイスクリームと生クリームを挟み、レストランのロゴ入りの紙に包み、そのまま冷凍庫へ入れられたようだ。家でも作れそう。

普段は健康を気にしてあまり食べないケヴィンの目を見張る食欲。デザートはもういいよ、と満腹で苦しむ私の前でアイスクリームサンドもペロリ。家に帰ってそのまま寝て、１０時半前には鼾をかいていた彼。本当に疲れてたんだね…。同時に寝た私には時間が早すぎ、夜中に一度目が覚めた後眠れなくなってしまったのでした。Torattoria Radda