2008年8月29日金曜日

歴史的瞬間に立ち会って-民主党大会最終日

私にとって一生に一度の経験になるであろう、民主党大会に行って来た。アメリカ史上初のアフリカ系(黒人)大統領候補の指名受諾演説という歴史的瞬間を、この目にしっかりと焼き付けて帰って来た。
偶然なことに45年前の8月28日は、キング牧師が名演説をした歴史的な日。昨日演説をした人々の中に彼の娘の姿もあった。
私が経験する米大統領選挙はこれで3回目だが、今回はオバマ氏の民間レベルに目線を合わせた姿勢の成果があってか、今までより親近感を覚えるレースだ。彼のキャンペーンで特筆すべき点は、草の根レベルのサポートが非常に強く、集めた寄付金も小さな金額が積もりに積もって相当なパーセンテージを占めるようだ。そして、大統領選に無関心だった多くの若年層の心をつかんだのも特徴だ。
昨晩の50分間に渡る演説で、ブッシュ政権中に問題になっている医療保険問題(この国は人口の約15%にあたる4700万人以上の人が何の保険にも加入できていない)、戦争、教育レベル低下、石油依存、景気後退、高所得者層・大企業優遇などを挙げ、聴衆に改善を約束した。そう考えると現在のアメリカは問題だらけだ。もし彼が晴れて44代目の大統領になったとしたら、過去8年間の尻拭いで眠る暇もなくなってしまうのでないかと今から心配してしまう。
そして印象的だったのは、政府に変化を求めるのではなく変化をワシントンへ持ち込もう、と国民の協力を求め、政府と国民が一体になってこの国を改善することを強調したことだ。これぞ新の民主主義であり、アメリカ本来の姿の言えるのであろう。
マイノリティーとして、そしてこの国に「移民」として住まわせてもらっている私としては、ある意味で彼の子供時代のアイデンティティー追及の葛藤や、差別の受け止め方は共感できるところが大きい。そんな思いからも、彼の訴える平等や正義というのは私にとっても意味が重い。そしてアメリカ人の夫を持つ身としてイギリス在住中に感じた、イラク戦争開始後の反アメリカ感情や国際社会の中での評価の低下、という流れを、オバマ氏は新たな方向に変えてくれるのではないかという期待が私にはある。しかし、今だに白人の心の奥深くに残る人種差別が、11月の選挙にどう影響するかが不安なところだ。
昨日の見た大きな変化の兆しと希望の光が、今後のアメリカを救ってくれるのを祈るばかりだ。
関連ポスト「民主党大会」 「民主党大会とは実際にどういうもの?」



2 件のコメント:

  1. 僕もオバマ応援してます。こっちでは、オバマTシャツすごい流行ってますよ!みんながうさん臭いって気付き始めてるこの戦争が早く終わってほしいです。

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  2. 私たちは選挙権はないけど、頑張って応援しましょうね!あと2ヶ月。

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