2008年3月24日月曜日

ピザの話

昨晩、今週一週間の献立の話をしている時、ピザの話になった。「今までに本当に本当にまずいピザを食べたことある?」と、鼻にわざわざ皺を寄せて「まずいピザ」(もちろん、日本語)と言ったケヴィンの顔を見ながら、ふ-っと意識が過去の記憶を辿った。

私は高校時代に1年間カンザスに留学していたことがあるが、その時の一番の好物は断トツピザであった。冷凍食品、配達、レストランで食べるピザのどれを取っても、それまでに日本で食べたものより格段においしかった。スーパーで買う冷凍ピザですら、クラストがサクサクなのである。「アメリカのピザって、冷凍のでも日本のよりずっとおいしいと思ったけど」と言いながら、そこで更に忘れかけていた別の過去の記憶が蘇った。

うちの父は、食品会社のエンジニアをずっとしていた。父がこのブログを読んでいるとは聞いたことがないのではっきりと書くが、日本で「ピザパイ」と言われるものが初めて発売された頃の、あの父の会社の冷凍「ピザパイ」がもしかすると今まで食した最もおいしくないピザだったかもしれない…と思い始めた。もちろん、父の会社の製品だったのでかなり頻繁に食べていたし、チーズ好きな子供だった私の大好物だったのだが。

私が高校生の頃、父がついにピザの研究のためにアメリカに出張に行ったことがあった。どこで何を見てきたのかは不明だが、多分ピザ工場の視察のようなものだったのではないかと思う。

驚いたことに、父はアメリカのスーパーで売っている大きな冷凍ピザを、スーツケースの中に2箱入れて帰って来た。ええっ、こんなもの持って帰ってきたの?!と家族みんなが仰天し、1日以上も冷凍保存されてなくて大丈夫?と不安を覚えつつ、それは大切に冷蔵庫(もしくは冷凍庫?)に移された。数日後「よし、じゃ、あのピザを食べるぞっ」とそのピザを焼き、家族揃って食べたのだ。

それをケヴィンに話して、2人で笑い転げた。

最近はどこへ行っても窯で焼かれる本場のピザが食べられるようになった。ネパールでトレッキングをした時にも、出発してから10日程行った標高3800mの地点、しかも村でもなくいきなりポツリとあった宿で、イタリアで修行したというネパール人のおじさんが窯で焼くピザを食べたこともある。

ケヴィンの焼くピザもお世辞抜きでおいしい。いろいろな種類を作るが、私のお気に入りはローストガーリックとゴルゴンゾーラのピザ。これはガーリックを丸ごと2つ、1時間ローストしてペースト状にしたものと、ゴルゴンゾーラとモッツァレラがベースになったもの。そこに、ブランデーに浸けたサワーチェリーと細切りにされたプロシュートを乗せて焼き、食べる直前にレモンで味付けされたルッコラを上からふりかける。ガーリックとゴルゴンゾーラの強さと、チェリーの甘みとさわやかなレモン味のルッコラのコンビネーションがたまらない。     イギリスに引っ越す時にもわざわざ持って行った、ベーキング・ストーン。

2 件のコメント:

  1. 覚えてる!これ。ロンドンに遊びに行ったときにもビザ焼いてもらったよね。
    焦がしたか何かでKevinが「失敗した」ってとーっても悔しそうにしていたのだけれど、私達にとってはそれでも何の問題もなく、とってもおいしいピザだと思ってバクバク食べたんだよね。
    そごいよね、チェリーのっけたりなど、どうやったらそのレシピにたどり着くの?日本ではピザ屋ができそうなぐらいよね。
    それにしても「まずいピザ」話について話している2人が想像できて笑った。パパかわいそうにこれ読んでないといいわね。

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  2. へぇ、そうだっけ、忘れてた。そんなこともあったんだね。レシピはピザの本から来るのです。アメリカらしいレシピがたくさんあるんだよ。

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