2013年4月23日火曜日

中年フランス人男性の威力

一緒にログキャビンを建てた3家族のうちの一組が、1年半前に離婚しました。その2人は高校時代からの同級生で、大学時代に学生結婚し子供はなし。離婚の理由は「今まで長い間一緒に人生を歩んできたが、40代になって価値観の違いのギャップが大きくなり、これ以上一緒に成長すると思えないので別々の道を進む」。アメリカ人らしく、離婚後も友達として関係は続けているようです。

旦那さんは奥さんの分のシェアを買い、残念ながら彼女はログキャビンからは脱会となりました。

彼女は落ち着いた感じのアメリカ人女性で、学生の頃フランスと中国に留学経験があるので、外国人としてアメリカに生活する私の良き理解者。海外出張が多い仕事を好み、一生懸命仕事をするキャリアウーマンでいながら、ログキャビン建設中は2階のバルコニーを1人で作れるような腕もあるという、独立した女性です。「2人で山奥にいて旦那に何かあったら困るから、どんな車も運転できるようになっておかないと」と言いながら、トラックやレンジャーなんかもバリバリ運転していて、偉いなあと思ったものです。

離婚後、彼女は「高校時代から何十年も恋愛なんてしていないから、不思議な感じよ」と言いながら、1人で踊りに行ったりお見合いサイトに登録したりと、活動的に過ごしていました。お見合いサイトには「フランス人限定」とし、そのサイトを通じてアメリカに住むフランス人や、ヨーロッパに出張に行った時に現地のフランス人に会った話を、しばらく聞いていました。

そして最近、ついに私達に紹介したい恋人ができたと言われて、私は興味津々。相手はどんな人かというと、一回りほど上の50代のフランス人で、アメリカには長くボールダー近郊に在住。離婚したアメリカ人女性との間に娘が2人いるそうです。

「この間2人でスキーに行った時にね・・・」と彼女。
「終わった後に『足が痛い〜』とつぶやいたら、ブーツを脱ぐのを手伝ってくれるって言うのよ」。そして、「これまでの私って、男と同等に生きて行くのが当たり前と思っていたから、旦那にスキーブーツを脱ぐのを手伝ってもらうなんて、考えたことがなかったのよね」。「でもね、そこで甘えて手伝ってもらう自分っていうのもありかな、と思って」。ほほぉぉ。

肩肘張って生きてきた彼女が、ふっと力を抜いた感じがありありと伝わって来て、そういうのも悪くないなあ、と思った私でした。

「初めて会うと決めた時は、子供がいる既婚者には興味がなかったから気が進まなかったのだけど、同僚がどうしても会ってみろと言うから試しに会ってみたのね。その時にフランス人限定でお見合いサイトに登録している話をしていて、『ワイン飲まないの?(彼女は発酵したものが体に合わず、頭痛になってしまう)、チョコレートもそんなに好きじゃない?そんなんじゃフランス人はつかまらないよ〜!』と笑われてね」と話す彼女は、以前よりかわいらしく見えるのでした。

なんだかうれしい話だったので、彼女には内緒でここに書いてみたくなりました。


2 件のコメント:

  1. なかなか興味深い話でした。
    若い時はとかく格好や体裁、見栄や虚勢をはって自分をよく見せようと頑張るものですが、いつしかそういったものにあまり価値を感じなくなるものですね。
    本当に大事なもの、本当に大切にしたいこと、が少しづつでも見えてくると、物事を相対的にではなく、そのものの絶対的な価値を真摯に見つめられるものです。
    他人と比較ばかりしている人生は疲れますよね(笑)

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    1. 20代の早いうちにそういう感覚が少しでも芽生えていれば、今とはかなり違う自分がいるのではないか、と思うことがあります。でも、もう手遅れ(悲)。。。

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