ちょうど1年前の今日、このブログで私達夫婦が経験した試練を書き綴り2009年を閉じたのですが、人生まさに山あり谷あり。今年はこの上ない喜びと供に1年を締めくくる幸運に恵まれました。もう子供は無理だとほぼ諦めていた私達に、来年3月に女の子が誕生することになりました。体外受精6回目の奇跡でした。子供が欲しいと真剣に考え始めてから、既に4年半が経過していました。
とても長い道のりでした。
家族をはじめ多くの方々が、私達のことを心配し精神的サポートになって下さいました。それだけでも感謝の気持ちで一杯だったのでしたが、このニュースを聞いた方々からカード、Eメールやプレゼントが届き、クリスマスにはさっそく赤ちゃん用のプレゼントを多数いただきました。みんなの優しさに感激し、そこで改めて我が身を振り返り、今まで自分に”相手を思いやる気持ちを表現する行為”がいかに欠けていたか、ということを痛感しました。
この壁に至るまでの私達の人生は比較的順調な方で、努力したことに対しては基本的に報酬を受けてきたのですが、これだけは神のみぞ知るの世界。これほど結果が出ない努力は初めてでした。しばらく旅行なので気を紛らわせつつも、常に挫折感と失望感を感じつつ生活していました。このまま2人だけの生活を送るか、それともかわいそうな境遇の子供を養子に取るのが私達の使命なのか?ということを考えながらアシャの散歩をする日々が続きました。
「お子さんは?」というあまりにも当たり前の質問が私達に影を落とし、自分の子供達を見つめる友人達の眼差しが私達にとっては辛い日常の光景でありました。そんな状況の中で、ケヴィンとのパートナーシップが更に強まったことは言うまでもありません。
悶々とした中で、最後の挑戦をする決意をしました。そして今だにこの結果が信じられないのが正直なところです。小さな受精卵からお腹の中で元気に動き回るまで育ったこの子の生命力に感嘆しつつ、一生経験できないかもしれない、と思っていたこの妊娠生活の一瞬一瞬に感謝して毎日を過ごしています。
子供を授かったことの喜びと供に、また私達が”普通の人”に戻れたことは今年の大きな報酬でした。しかしこれはほんのスタートにすぎません。これからこの子を取り巻く私達の生活は、一体どのように変化するのでしょうか。
私達が通り抜けたような経験をしているできるだけ多くの夫婦に、同じ結果が待ち受けていることをお祈りしつつ、2010年を閉じたいと思います。そして、大切な家族をはじめ私達を支えてくださったみなさまに、改めてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
みなさま、良いお年をお迎えください。