ご存知の方も結構いるのですが、日本滞在中にケヴィンのママの便秘騒動がありました。
遡ること約3年前。1人で日本に1ヶ月程滞在した彼女が、滞在の最後の方に私の妹夫婦と私の親友達と食事に出かけた日がありました。その翌日、「昨日楽しかったよ〜。でもママとんでもないことになってたよ。この数週間で数回しか出ていないんだって!」と3人が全く同じ内容のメールを送ってきて、私とケヴィンが仰天したのでした。
今回は早いうちからみんなが警戒しており、「どう?」といろいろな人に心配されていたのですが、しばらく効いていたごぼうサラダも5日間もすると効果があまりなくなり、北海道に着いた頃から雲行きがかなり怪しくなってきました。しばらく効いていた本人が持参した便秘用のお茶もダメ。翌週私が札幌に出た時に、薬局の人に進められるまま「タケダ便秘用漢方薬」を買って帰りました。しかしそれもダメ。
だんだん「胃が重くなって来た」と苦しそうで食も細くなってきていたので、その4日後に2人で札幌に出た時に、「これを使えば必ず出ます」と別の薬局のものすごく便秘に詳しい店員に勧められ、ついに浣腸に手を出しました。ママは夕方それを試したくて仕方がなかったようで、その晩は実家の母の知り合いの方にバーベーキューにお呼ばれていたのですが、残念ながらママは家で浣腸を使って休むことになりました。しかし帰宅すると、2個とも使って何も起こらず、意気消沈しているママがいたのでした。
その晩は睡眠用のサプリメントを2個飲んでも心配して眠れなかったと言うので、翌日ついに病院に連れて行くことにしました。
医師との問診後、看護士の方に前日使った2倍のパワーの浣腸をしてもらってもあまり効果が見られなかったので、ついに下剤を処方してもらうことになりました。保険がないので会計がいくらになるのか全く見当がつかず、とりあえず5万円以上の現金を持って出かけていました。
緊張して会計に行くと、「え?たったそれだけ?」と驚く3500円。その後受け取った薬は1050円でした。もらった下剤の効果はテキメンで、その後ママは安心してアメリカに帰国できたのでした。精神的にもすっきりしたママは、「あの看護士さんは白人に浣腸をするなんて、生まれて初めてだったでしょうね〜。うふふ。」と明るいのでした。
この話をこちらの小児科医の友達にして、「アメリカだったらいくらだと思う?」と聞くと、「医師との問診、看護士の労働費用と休憩する場所代、浣腸代・・・合計3000ドルくらいじゃない?」。私も大体そんなものかなあ、と思っていました。
この事態の直前、ケヴィンはシドニー〜東京〜ニューデリー〜NYの一連の出張の最後の晩、NYのレストランで鮪を軽く炙ったものを食べて同僚と2人で食あたりを起こし、強烈な下痢に苦しんでいました。ボールダーに2日間戻ってロンドンに行かねばならないという状況だったので、珍しく自発的に日曜日に急患で病院に行き、ナースプラクティショナー(上級看護職)に会って点滴を2本打ってもらっていました。
先日請求書が届きました。合計金額は2314ドル。保険会社が負担した後の私達の負担は545ドル。
点滴2本で23万円って、常識で考えて何かがおかしいと思いませんか?
日本に住んでいると当然と思ってしまいますが、日本の医療の料金制度と国民保険制度は本当にすばらしいです。ちなみに、アメリカには国民健康保険制度はなく、医療保険はほとんど仕事をしている会社を通して加入するものなので、失業すると自動的に保険もなくなってしまうのです。
こちらに住む日本人の女子会で「将来1人になったらどこに住む?(ほとんど旦那が先に逝くと仮定している。私はケヴィンがあの調子で私より長生きするのではないかと思っていますが。)」という話になると、必ず「医療費のことを考えたら、日本に住んだ方が安心だよねえ」という方向に行くわけです。