2013年1月7日月曜日

殺された牡鹿と怒る住民

数週間前にここに登場したあの巨大な牡鹿が、元旦の夜に殺されてしまいました。地元の新聞でそれを知り、深い悲しみに陥る私です。

当初は「誰が牡鹿を撃ったのか?(Boulder murder mystery: Who shot this elk on Mapleton Hill?)」と、謎として報道されました。ここから5ブロック先の住宅の庭で、射殺された後の牡鹿の姿を目撃した住民は、「警察官が銃で殺した」と証言し、警察側の発表では「そのような報告もなければ記録もない」と話が大きく食い違ったのです。

その後その住民が、警察官が死んだ牡鹿の角を持ち上げてポーズを取る写真を地元の新聞社に提供。その写真には、肩に自分のイニシャルの入った制服を着た警察官の姿が、はっきりと写っていたのでした。

                                                          KCNC

調査が進むにつれて全容が少しずつはっきりしてきて、この牡鹿が違法に殺された可能性が高くなってきました。牡鹿を射殺した警察官は署には報告をせず、その代わりその晩休みだった同僚の警察官に連絡。巨大な牡鹿を一緒に彼の家に運び、その後食用の肉として処理したというのです。

警察官には、住民を脅かしたり怪我をして苦しむ野生動物を射殺する権限が与えられているそうですが、その場合にはきちんと経過を署の監督者に報告する義務があり、野生動物を管理するParks and Wildlifeという組織とも連携を取る必要があるようです。

その義務を怠った場合は単なる狩猟となり、ボールダー内ではライセンス無しの狩猟は違法です。

(12月26日に住民によって撮影)

この牡鹿は、Mapleton Hillと呼ばれるこのエリアに数年前から姿を現すようになり、”ビッグボーイ”というニックネームで住民達に非常に愛されていたようです。ニュースでは「最近攻撃的になっていた」「郵便配達員が襲われそうになった」「怪我をしていたので、仕方なく撃ったらしい」などと書かれていましたが、住民達はみんな口を揃えて「そんなことはなく、いつも穏やかだった」と言い、実際に私が至近距離で遭遇した時も、私のことなど全く気にせずに静かに葉っぱを食べ続けていました。

この通り(涙)

その郵便配達員はは我が家にも回ってくる人なのですが、彼は「牡鹿がポーチの横で寝ているのに気づかず、横を歩いてびっくりさせてしまったけど、僕には全く危害を加えようとはしなかった」と言っていたそうです(新聞に書いてあることって、鵜呑みにでしてはいけませんね)。

怪我をしていたかどうかの真相は、解剖によって射殺される前に実際に怪我をしていたかどうかがわかるそうです。そんな技術があることにも、驚きです。

怒ったMapleton Hillの住民が、日曜日の夕方にキャンドルを持って祈る会&抗議の会を開き、200人ほどが集りました。たまたまそれを計画した人が知り合いだったので、私もビラ配りを手伝いました。無駄に殺された美しい野生動物の死をみんなで惜しみつつ、最近レベルの下がったボールダー警察への怒りを表した夜でした。



さようなら

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