先週末、大切な友人を失いました。辛い一週間でした。
先週の土曜日ケヴィンのアウトドアスポーツ仲間5人が、2組に別れてバックカントリー(自然の山に登ってスキーやスノボで滑り降りて来るスポーツ)に行っていました。普段だったらケヴィンも行くところだったのですが、カリーナが生まれてからは、週末は私のサポートのために、長時間でかけることは控えてくれているのです。
ジョエルはケヴィンと同い年の38歳でした。斜面を滑り降りた彼が雪崩を誘発し、雪に約300m押されて流されてしまった時に岩に体を強打したのが原因で、その数時間後に山で息を引き取りました。悪天候でレスキューはヘリコプターでは現場に向かえずに、スノーモービルで山に入ったそうです。
山を降りてレスキューを呼んだパットから、ジョエルが雪崩に遭ったという第一報が入った時は、みんな彼は助かると思い込んでいました。頭は打っておらず、事故直後は話ができて歩ける状態だったようで、その段階ではヘリコプターでデンバーの病院に搬送されるものだと思っていたのです。
事故死というのはあっけないものです。まさか彼がこんな形で私達の前から消えてしまうなんて、夢にも思っていませんでした。これから何十年も一緒に歳を重ねていくものだと思って疑うこともありませんでした。この一週間ケヴィンと2人で彼との想い出を話すたびに涙し、考えれば考えるほど惜しい人をなくしたと思う日々でした。
彼の優しい目、親しみのこもった声、スポーツだけでなくジャズ、ワインや食、家庭菜園にも興味があり、いつも楽しい話題を提供してくれる人でした。時々文句を言う時も、彼の場合はなんだか楽しく聞こえるような人柄でした。
水曜日の告別式で、彼の最後の姿を見ました。棺の中にアウトドア用のシャツを着て横たわる彼の顔は安らかでしたが、あきらかにそれは魂のない抜け殻でした。ああ、彼はもうここにはいないんだな、と実感しました。
金曜日の夕方、ケヴィンともう1人の友達がホストをして、彼をしのぶ会が開かれました。場所は山にある屋外劇場で、ここは2000年に私達が結婚式を挙げた所でした。集まった約半数の数十人が、ロードバイクも楽しんだジョエルを想い坂道を自転車で会場に向かいました。その会では、家族、10年来のガールフレンド、友人達が彼との想い出を語り、涙あり、笑いありの素晴らしい集いとなりました。そして集まった面々を見て、彼のネットワークの広さに驚きました。みんなが彼を自分のベストフレンドだと思っていた事実が、彼の人柄を物語っていました。
日が暮れ始め、昼と夜が交差し始めた時間帯となった頃、全員が肩を組んで大きな輪を作りました。そして、天に登った彼へ、最後のお別れをしました。彼がそこに居ると思うと、天国も楽しいところかもしれないな、と思うようになりました。
おやすみなさい、ジョエル。今までありがとう。